世界を言葉で繋いだら

毎日にイラストを添えて

神様は寝違えてるの?横向き壁画

 今朝は早起きして、美女な皆さんとお茶をしてきました。朝食会が開催されたのですが、神奈川から都内の真ん中まで行くのに時間がかかるため、出来る限りの早起きで参加してきました。ラッシュより早い時間でしたが、電車すごかった。1年前まで毎日、あれに乗っていたのか私……。

 それから、美術館に行ってきました。チケットを譲って頂いたので、ラッキー。

 

 新国立美術館で開催中の、「ルーブル美術館展 肖像芸術」です。

ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか|日本テレビ

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 久しぶりに、美術の話でも。なんで横向きなのか、お話してみようと思います。ザックリと分かりやすく書いていますので、なんとなく分かってもらえたら嬉しいな。

  エジプトの壁画といえば、なんとなく思い浮かぶでしょうか?必ず横向きで、ものによっては横を向いているのに両目が描かれているものもあります。

 エジプトの多くの人物画は神様か王様達です。ここで言う王様達も、神様の子孫であるので大きくくくれば神様と言えます。

 元々は正面だと、表現が難しかったという技術的な理由もありそうですが。現在言われているのは、様式美つまりルールとして横向きで描かれていたという説です。

 

 絵は元々、私達が鑑賞するためではなく神様に向けて描かれたと考えられています。もしお墓なら、向いている方向の先に星や、正午に太陽の昇る位置だとか。何か関連付けられた方向を向いています。見せる相手が違うという理由。

 もう1つ考えられているのは、神の大きな力が向かないように半分にしているという理由です。宗教によっては神の姿や像は作らないのです。これは畏れという言葉でも表現されますが。神秘性によって、神の力の膨大さを表すことができます。

 例えば、地球の人口は73億人などと言われます。これでも数え切れない数ですけど、星の数ほどの人が生きているとも言えますよね。具体的な数値と、星の数という概念のようなぼんやりした数ですけどでは、後者のほうが大きく感じませんか?

 

 ムスリムの人が信仰している、アッラーの絵には顔がありません。描いてはいけないのです。ギリシア正教会、ロシア正教会でもイエスの像は禁止されていて、代わりにイコンと呼ばれる絵を祭壇に置いています。

 イコンはSNSなどの顔、アイコンの語源になった言葉です。顔の輪郭や、目などがあえて具体的に描かれておらず、イエスの顔がはっきりと分からないものが多いです。ミステリアスなのが魅力なのです。

 

 それじゃ、なんでギリシア神話の神様達は、大理石の立像も絵もムキムキでしっかり描かれているのかというと。人間の究極の美しい姿=完璧=神様、という理論によって表現されています。アスリート並の腹筋、波打つ髪、通った鼻筋などなど。全てが黄金比なのです。足も長いんですよ。

 

 少し長くなりましたが、「あえて」ということが伝われば。壁画を見るときも面白くなるんじゃないかな。