読書【日本人の勝算】
久しぶりに本の感想を。
今年の頭に発売された本で、読まれた方も多いと思います。著者は美術品や文化財や蓋物を修繕、修復する会社の社長なので私も名前は知っていました。彼が金融業界出身なのは社長就任のニュースが、美術界隈で話題になっていたので薄っすらと記憶しています。
さて肝心の内容についてですが、概略や要点などはほかのブログを参考に。私は自分が感じたことを書きます。
本として読むと…
経済の用語などが本書にはありますが、簡単な説明はされるので。この手の本を読んだことがなくても、伝えたいことは確認することが出来ます。逆に読書の習慣がある人は少し読みづらいと思います。著者の問題なのか、編集の問題なのかは分かりませんが。段落構成や、段階的に話が展開していないという構成の問題ではなく。本という文章を読むとしては、です。
連載されたコラムなど、断片が集まったことによるものではなく。好みの問題にもなりますが、書き方の問題です。私はベストセラーでアニメも面白く見ていましたが、西尾維新さんの本は読めないのです。私には合わなかった、ということです。内容は面白かったので、巻末まで目を通しています。
今の日本経済の状態
ここで問題にしているのは、日本経済の生産性の低さです。私は今勤め人ではないです、現に仕事していない身分ですから。それでも今まであった会社でも、必要のない無駄なことをしていたので。その積み重ねかなといえのはは納得です。特に会議、長い。また、いわゆるベンチャーの会社も少しですが覗いてみて思ったのですが。独立したといっても、やり方は起業した人か経験したやり方で運営しています。規模が違うだけで、やっていることは同じ。しかも人手、資本の小ささから、もっとアナログな方法で運営していることも多いです。
新しい技術というのは、上から下へ。会社で言うなら大企業から、小さな会社へと流れていくと思います。みんなトヨタ方式とか真似しますよね。なので社長や重役と呼ばれる人達が学べる場所を作るのは、効果が見込めると思います。インターネットって元々、ペンタゴン(アメリカ国防省)で軍事目的で開発されたものですし。
教える、ということ
ここのところコーチングという単語を聞くようになりました。スポーツが好きな方なら、よくご存じだと思います。昔は熱血指導というやつで、練習メニューや指導の通りにやっていれば上達する。という考え方でしたが、現在はそんな方法をとっている方は少ないんじゃないでしょうか。
コーチングの定義はあるのでしょうが、私が考える定義は「モチベーションを維持し、目標を見直す技術」です。
技術的なことを教えるのがティーチング、目標に向かう重要性や、やる気などを教えるのがコーチング。最近は教えるが大きく2つに分かれています。
企業では研修があり、そこでは業務で必要な知識を学ぶことになっています。あれっていつも思うんですが、部署の責任者などは受けて「これは良いぞ」と思うんですかね。良さそう、とか人事部のような関係ない部署が選んできている気がしてならない。新卒で勤めていた会社で、新人研修がありましたが。目標の設定と、段階化の話よりも。ルール内で出来ることを考える、であったり。課題の報告に関しても、内容も精査されましたが。その報告が規定に則っているかを採点されていて、「あ、これはないわ」と思ったことがあります。もちろん、多くの人がレポートなどを提出するなら、確認が大変なのでルールは必要ですが。中身じゃないんだなー、って思ったことしか覚えていないですね。
部下がいる人向けの研修があるのは知っています。どんな内容なのか分かりませんが、どんな人を対処に考えているんでしょうか。5人の部下を見る人と、部署が30人いる人では中身は変えているのは疑問です。
社長が必ずマーケティングやSNSに詳しい必要はないです。得意な人を、ちゃんとしたお給料で雇えばいいんですから。得意な人を見つけられないなら、探すのが上手い人に頼めばいいんです。それも、しっかり報酬を支払えば、比例して良い人を見つけてくるはずです。ただ、その見つけてきた人が、その会社に入るのかは会社次第。
働くこととお金
また本書で繰り返し出てくる、最低賃金。生活が保障されないなら、働かないほうが良いというのが成り立つ今、見直すなら今ですが。まだ政府は本気じゃないですね。保育士さんの給与を月ベース5万上げて、最低賃金を今より+0.2%くらいしたら。3年くらいは赤字かもしれませんが、逆転しそうです。
ベーシックインカムという言葉をご存知でしょうか。簡単に言うと、働かなくても生活できるようにお金が入ってくる。そんな話です。前提条件として、税収が安定しているから、国が支払える必要があります。一番近い現行モデルは北欧の国々になるのかな。給与が低い清掃や工場の作業、ルーティンの事務作業などはロボットに任せて。お客様に対応できる時間を増やす、早く帰れるようにする。そんなことが出来ると私は思っていますし、そうしてほしい。
AIに仕事が奪われる、なんて笑っちゃうような話も聞きますが。将棋ロボットに人は勝てないけど、ゲームそのものはAIに生み出せていないですよね。近いうちにゲームもAIが作れるようになりますが、それで遊ぶのか、面白いと思うのかは別です。
この本を読んでほしい人
この本は経営を考えている人が経済成長直面していること。ニュースが難しくて経済、特に日本の今の政策が分からない。そんな人にむ大変読みやすい本だと思います。特に就職を考える人や、18歳で選挙に行けるようになったので中高校生には読んでほしいな。
政府は批判を浴びたくない(支持率を下げたくない)ので、基本的に介護や福祉の話をする人が当選するし、大臣になる仕組みです。人口のバランスを見れば当然です。どこを狙えば勝てるのか、考えればそうしますよね。
この手の本は、問題をあぶり出しはするものの。具体的な対応策を書かないことが多いのに、しっかり書いております。3年後に〇〇というような表現ではないですが、そういった意味で健全です。