てれ顔のお兄さん
不意打ちには、誰しも弱いものです。年齢に関係なく、褒められたりしてタジタジになっていると可愛いですよね。
女性の使う可愛くは、意味が大きいと言われますが。そうかな、と感じます。小さくて守りたくなるものに使う、というのが一般的な定義でしょうが。仕草や使っている言葉など、動作や表情や感情の変化にまで「可愛い」が使えるので、対象の定義としては曖昧になります。
い、で終わる言葉ですし。名詞を修飾するので、形容詞なんでしょうが。なんというか、今の使われ方としては物ではなく。そう自分が思ったものに使っていますよね。
例えば本来の使い方では、「可愛い靴」=子供や人形用などの「小さな靴」という意味になりますが。皆さんが耳にしたら、色合いやデザインが相手にとって可愛い要素があるのかな。と考えると思うのです。
言葉は慣用例、つまり、その人がどんな使い方をしてきたかの蓄積で。最初に思い浮かべる意味合いが変わります。夏目漱石が可愛いと使っていたら、小さいって意味合いでしょうが。今の人が使っていたら、小さいって意味は候補にも出てこない気がします。
私は言葉が変遷していくのを見るのが好きです。それこそ大正時代の本などを読むと、言葉の残滓といいますか。余韻を感じます。中には使われなくなって、調べないと分からない単語も多いですが。空間に響いた音のように。直接的でなくても、言葉のもつ意味合いを感じ取ることが出来ます。
この途切れてない感じが歴史や美術でもあって、だから神話を調べるのが好きなんです。