世界を言葉で繋いだら

毎日にイラストを添えて

2つ目の心臓

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 人の心臓は1つですが、生き物によっては2つ3つ持っている心臓。有名なのはタコでしょうか。3つの心臓があります。

 人の心臓は1つですが、もし「心」と「心臓」を分けるなら、人は2つ持っていると言ってもいいでしょう。生命維持という欠かせない動きとは別に嬉しかったり、悲しかったり、恐怖を感じたとき。心とは別の動きで激しくつけたく脈打ちます。

 もしかしたら2つの心臓は「外側」と「内側」と考える人もいるでしょう。学校や職場などの「外面」と、家族や恋人、友人といるときの「内輪」。どちらが本物でもなくて、偽物もなく。片方の調子が狂えば、上手くいかず。バランスを保つために遊び、食べ、好きなことをし、寝る。

 その意味で言えば私の心臓は4つ。「外に出るとき」、「家族、友人といるとき」、「ネット上で趣味以外、何も知らない人と話すとき」、「自分1人でいるとき」です。他にも自分を見ている自分、というのがいますが。1人でいるときの自分と、ほぼ一体です。そんなにたくさんの自分と暮らす必要が誰にでもあるわけではありません。私はただ自分が、観察者といいますか。社会ではなくて、世界の事象歯車の一因だと考えています。

 こういう話をすると、すごく中二病っぽくなるんですが。SFの定番アカシックレコードというものがあります。簡単に言うと、この世のすべてが書かれていた預言書のようなもので、その通りに世界は、人は動いているというものです。テイルズ オブ ジ アビスでいうと、ローレライ教団の預言(スコア)。ターンエーガンダムでいうと、月の宮殿にある黒歴史。オカルト好きな方に言うと、マヤの暦あたりがメジャーでしょうか。

 歴史が好きだからかもしれませんが、人は結構同じ失敗を繰り返しています。人個人ではなく、人類という意味でです。社会情勢や技術が違うので、単純な比較はできませんが。1000年単位で見るなら、同じことをしています。私は神話が好きなので、それこそ紀元後の歴史と合わせると、5000年くらいの人類史をさらーっと見ているわけですが。人が犯す同じような間違いというのも、200年くらい時がたたないと間違いだったのか立証できない点が難しいところです。当時の社会情勢、世論、経済的な背景というのは未来になれば世界の国々での比較は簡単ですが。今の細かい各国の情勢というのは情報開示された教えてくれる分から、推測して実態を考え、そこから答えを導き出すという。推測から条件を見出し、仮定し検証をして実践という。未知に挑むわけです。しかも、今生きている人々にとっては最善が。5年後最善でなくなり、60年後に最善だつたと再評価されかねないものです。不確かな未来、とはよく言ったものです。

 なので、十分に考えて悩むことが、あらかじめ世界の設計図に織り込み済みなら。現実で気でないことを含め、自由に考え、空想して良いんです。私は心臓が4つあるから、4人分の考えを自由にして良いですす。1人集団会議で、4人の織り成す最高の結論を絞り出すことも可能です。人格を分けねとまではいきませんが、外側の私なら……と自分のような自分が出す考えを複数持つのは、何らおかしくないです。あなただってSNSでは別人とはいかなくても、顔を出していないからか、「他人ではないけれど自分に近い誰か別の人」を演じているはずです。

 善悪とは別に、せっかく手近にサンプルがあるんですから、その自分っぽい人なら何を考えるのか想像して。もう1つの心臓と共に、もう1つの考えや生き方を、心を持っていても良いと思います。人は悩みの多い生き物で、しかしそれは昨日と90%同じことで悩んでいます。イマジナリーフレンドを作れと言いたいわけではありませんが、1人で悩まず自分のような人に少し分けて、悩む時間を減らしてみてはどうでしょうか。それに、どうせ悩むことも、悩んだ末に出した究極の結論も。世界の設計図には織り込み済みです。けっして悩むな、と言いたいわけではありません。悩む、考えることは人に苦悩を与えますが、同時に快楽です。私は、生きていることを謳歌しているわけではありませんが、「生きていることをしている」状態ではいます。恋することが生きることになる方もいれば、お金が生きることの方もいます。私は考えることが生きることなので、つい人を見て、何を思っているのか考え、世界の観察者になりたいなーと過ごしているわけです。大雑把に言えば、ただの趣味なんです。