世界を言葉で繋いだら

毎日にイラストを添えて

射撃距離

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 昨日の話と少し関連しますが、私は会話を盛り上げるのが苦手です。どちらかと言うと、いらぬ一言で場をシーンと静まらせてしまうし。酷いと凍りつきます、話の腰なるものをバッキバキにします。今では人間生活にも慣れているので、喋らない、頷くでやり過ごせるようになりました。ただ同意しかねる事柄に関しては、共犯者になりたくないので「そうかなー?」くらいの発言をします。噂話は聞き流しすぎると、同意したように思われるので。嫌なものであれば、私は違うと思うと言葉にはします。私が意見を述べたところで深く追求されるわけでもなく、なのに賛同していないことについて同等とみなされるのは嫌だからです。人にどう思われても良いですが、その事柄について同じ思考だとされるのが嫌なんです。

 人は都合よく解釈する生き物です。それが防衛反応か処世術かは興味がありませんが、集団から浮くことに関して言えば。学生生活が基本、そのスタンスでしたから今更ですし。理解してほしい私の友達が、分かっていれば良いというだけなんです。ただそれだと会社という集団では味方が少なすぎる結果になりますので、適度にオタクゆえ世間には興味がないという趣味を小出しにして乗り切っています。

 今ではオタクを名乗る人が多いですが、ゲームやアニメが好きで、かつ特定の作品に関して詳しいしという昔ながらのオタクで過ごしています。少し込み入った話になるので、一般の人は知らなくていいことですが(オタクはよく、オタクではない人を一般と呼びます)。私は多神教者なので、相手の趣味や解釈を良いねーと言えるオタクでありたい。なので地雷もなく、好き嫌いもない。なのでオタク話でも衝突がなく平和です。普段のめり込まないジャンルや作品の話をたくさん聞けますし、相手の愛する作品やキャラクターの話を聞くのがすごーく楽しいからです。

 これはオタクに限ったことではないので、相手の意見を尊重しましょうという、よく耳にするぬるま湯な話です。この言葉、少し足りなくて。「相手の意見を尊重しましょう」は省略されている文言があって、「自分の意見と譲れない部分を明示してから、相手の意見を尊重し、中間点を探しましょう」が正解だと思うんですが。中間点を妥協点と思っても良いですが、そんな溶けかけの氷のようなつまらないものではなくて。相手と自分との正しい距離、一緒にいられる場所を探すことだと思っています。その共存できるエリアが人ごと、また分野別で違うと言う話です。服の趣味は合うけど、本の趣味はあまり被らない、なんてことです。その距離と共存エリアが分かれば、お互い洗練された情報のキラーパスができて会話が弾むんです。