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読書【ここじゃない世界に行きたかった】

 

ここじゃない世界に行きたかった

ここじゃない世界に行きたかった

  • 作者:塩谷 舞
  • 発売日: 2021/02/25
  • メディア: 単行本
 

  気になっていた本を読んだので、感想です。発売されてから2か月ほど経ちますが、なかなか近くの書店で取り扱いがなかったのでe-honというサービスを利用してみました。簡単に言うと店舗で受け取り、支払いをするサービスです。感染対策の一環で、書店の在庫検索の機械が使えないので目的がはっきりしているなら便利です。
 この本がオススメな方

  • 「美しい」とはなんなのかヒントが欲しい
  • 世の中の情報に時々、もやっとした感じがする
  • 純度の高い言葉に触れてみたい

 かなと思います。エッセイというか、こういう感じ方をする人もいる。かなり内心というか、感じたことを素直に事着にされている本だと思います。あと同世代の方は読むとすっと馴染むかもしれません。

  私は好きな会社のTwitterアカウントで「取材をされたよ」と宣伝していることで、彼女を知りました。新日本カレンダー株式会社という会社です。今サイトを確認してきたら、ページが公開されていたのは2017年5月22日でした。

 miliueというサイトです。こちらには企業や作家さんへのインタビューの他、コラムなども載っています。こちらの記事が加筆修正され、本書に収められています。

milieu
 なので本を買わなくても、サイトやTwitterを見ると。彼女がどんな人なのか分かります。有料記事のnoteもあるようですが、私はそちらは見ていません。文章を書くことをお仕事にされているのでシンプルな文面ですが、読むと自分の感じている違和感の一部がこれだったのかもと気づかせてくれる内容でした。

 私は人前では本音をあまり言いません。言ってもいいとか、伝わりそうな相手を選んでいます。誰にでも開示できないのは、言葉の表面だけで受け取られると困るからです。私の人となりといいますか、考えて悩んだあげく、伝わりにくいので削いで残った部分を声に発しているわけで。裏側というか、選んでいる言葉だと思わない人には伝えるのを止めてしまいます。私が大切にしている自分の世界を踏み荒らされたくないのです。知らない人が突然、家中に入ってきたら怖いのと似ています。それでこうしてブログをしているのは、違う世界(考え)を面白いと思うし。私と似た世界の人がいるなら、話してみたいと思うからです。伝える術が文字しかないから思考の言語化の練習わしつつ、同じ考えの仲間を探しているわけです。場所や年齢などの見た目に惑わされないのが文字の利点ですよね。

 彼女の言う美しいもの、私も妥協せずに選んでます。在宅勤務になって机と椅子を新しく探したところ、運よく椅子は見つけましたが机が見つからず、いまだに仮の状態です。私の部屋も世界なわけですから、選べるなら美しいものを置きたい。サイズや質感が120点満点のものが見つからないまま、1年過ぎました。これでも良さそうは絶対にしないと決めています。机は簡単に処分できないのもそうですが、毎日一番近くに置くものが冴えないのって、自分への妥協に感じませんか?まだまだ探して、お気に入りの机を手に入れるぞ。

 心の内側の声をずっと聞いていないと、話していいよとなっても喋り方を忘れてしまうようで。何にが好きなのか、何がしたいのか。世の大事だと思わされている煩雑なものに埋もれてしまう人がんだなと改めて思いました。埋もれないでいると変だって言われるから、それもそれで息苦しいんですけどね。他人が羨ましいのは、自分より自由に見えるから。お金があれば、仕事があれば、パートナーがいれば、親がいれば、都会なら、頭が良ければ。挙げるとキリがないですが、人を羨ましく思うことを否定しません。そんな人に、「あなただって、他人からそう思われてるよ」と言うと絶対にそんなことないって言うんですよ。上手くいかないのは運もあるでしょうが、出来ないって始める前から思っている人が多すぎるんだなと。私は人の輪に入れられない時間があって辛い思いもしましたが、そのぶん好きが分かっているので怖いものが少ないんじゃないかな。もっと私、凄くなれそうと思いました。彼女の言葉は、なんですソーダ味のアインキャンデーに感じるんですよね。