世界を言葉で繋いだら

毎日にイラストを添えて

読書【才能を開く編集工学】

 

 ベストセラーに上がっていたので、読んでみました。
 私が思うにオススメな人は、

  • 本やニュースから、しっかりと情報を得たい
  • 考え始めると煮詰まりやすい
  • 情報の整理や見方が知りたい

 という方向けでしょうか。私の感想としては初心者 向けですから、すでに思考力を鍛える本や、読書時間を確保している方には不要です。

 この本の本質は、「書かれている情報をどう自分に入れ。新しく入った情報と、すでに頭にある知識をどう結び付けるか」です。つまり日常的に疑問をすぐ、グーグルやウィキペディアで調べたり。手元に情報端末がないなら、ないなりに自分の頭で整合性を取ろうとするかたには物足りないです。言葉にするのが難しい、本書にも出でくる『~らしい』という部分を丁寧に説明されているで、認識を例えば会社の会議などで共通にさせるという目的には部分的に使えます。

 引用しいる本の個所がかくつかあるんですが、私は読書済みのものが多いのと。もともと思想や、神話好きゆえの物語の役割などを考えている身には物足りなかったんですね。いいところを体系的に、全体像をつかむには良いでしょう。そこから興味がわいて踏み込んで知りたくなったら、引用されている本を読めば、よりしっかりとした術を知ることができます。

 個人的には4章、5章が不要でした。というのも、1~3章でどうやって知識やアイデアは作るのか。その説明の具体的な例と、所属している編集工学研究所での具体例を挙げているのですが。すでに実践していることが多くて、参考にもならなかったということです。逆に1~3章の中で説明されている方法が、新しい、知らなかった、へーって思った方には具体例があるので分かりやすいと言えます。

 

 感想とは関係ないですが、ちょっと読書について思うことを。蛇足です。

 

 思ったことは、読書をしている方は時代変わらず多いと思いますが。本の密度は減っているな、ということです。文章の形式ではなく、情報量という意味です。ずっと分かりやすいブームの中で本が出版されています。入門書というのは誰にとっても必要なもので、入り口が狭いほど、本当ならドはまりするはずの人を門前払いしてしまうので、よくないことですが。初級編が終わって、まだまだ興味が尽きなければ中級編を知りたくなりませんか?何かをずっと調べる人口はけっして広くないと知っていますが、本は腐らないし水のように蒸発しないので、読者はすでに生まれている人だけでなく未来の人も含んでいるはずなんですが。出版不況というやつなのか、本は買うものでなくなったのか。何か面白い、痺れる本が読みたいな。